排水口への熱湯流しは危険!正しい排水ケアのポイントを知ろう

掃除

排水口にパスタのゆで汁や、カップ焼きそばのお湯などをそのまま流した経験はないでしょうか。

実はこれがシンクや排水管に悪影響を与える可能性があります。

熱湯による排水管のトラブルは見逃されがちであり、その結果、予期せぬ問題が発生することがあります。

この記事では、熱湯をシンクに流すことの問題に焦点を当て、排水口への正しいケア方法とトラブル予防策について詳しく掘り下げます。

熱湯使用によるシンクや排水管設備への悪影響

なぜ排水口へ熱湯を流すとトラブルに繋がるのでしょうか。その問題点について、いくつかみていきたいと思います。

ステンレスシンクの変形

まず一つ目の悪影響は、熱湯によるステンレスシンクの膨張です。

ステンレスシンクの、「ボコッ!」という音を経験した方もいるのではないでしょうか。

自然界に存在する物質のほとんどは、「温度が上がると体積が増える」という性質があります。

台所のシンクの金属も例外ではなく、熱湯を流すことで急激に温まったステンレス(金属)が膨張します。

急激に温められて膨張した金属は、反り上がることにより、その周囲の金属が不可に耐え切れなくなり変形することで音がします。

これは一瞬のことなので、水をかけたり温度が下がると元に戻ろうとします。

ですが、熱湯の量が多かったり、かけ続けたりすれば元に戻り切れず変形してしまう可能性があります。

排水管の劣化・破損

排水管は、塩化ビニルでできていることが多いです。昔の建物であれば、金属管のものもあります。

いずれにしても、熱湯による変形や破損に繋がる可能性があります。最悪の場合、穴が空いたりなど重大な破損に繋がります。

塩化ビニルの耐熱温度は、種類にもよりますが家庭で使用されているものは60℃程度のものが多いです。

ちなみにこの60℃までという耐熱温度は、水圧も関係しており、最大許容圧力は0.1MPa(メガパスカル)程度です。0.1MPaとは、水道水を普通に流したときくらいの強さです。

圧力が上がれば、許容温度はもっと下がります。

二次被害

排水管が変形してしまうと、それにより他の被害がでる可能性があります。

例えば、変形により上手く勾配がとれなくなり、排水がスムーズにされなくなる可能性があります。

そうなると油や汚れなどが溜まりやすくなり、詰まりを引き起こします。

また、排管の変形によりつなぎ目などがズレたりすれば、水漏れを招きます。

このように、熱湯の使用は排水管に様々な悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

排水管へ流すとトラブルに繋がる可能性があるもの

ここで排水管へ流すと、臭いや詰まり、破損などトラブルに繋がりやすいものをまとめておきます。

温度の高いお湯

これは前述の通りで、塩ビの場合、耐熱性が60℃程のため、高温のお湯を流してしまうと変形や破損してしまう可能性があります。

高温のお湯は冷ましたり、水と同時に流したりして、温度の高い状態で流さないようにしましょう。

水に溶けないもの

水に溶けない物を流すと、詰まりの元となります。

例えば、

  • ティッシュ
  • 野菜くずや食べ残しなどの固形物
  • タバコ
  • ガム
  • 紙おむつ
  • 割り箸
  • ビニール
  • プラスチック
  • ヘアピン
  • アクセサリー
  • 歯ブラシ

などです。

こういった水に溶けないものが、排管内のどこかに停滞してしまうことで、汚れが溜まったり、ヌメリができたり、破損に繋がる可能性があります。

油脂類

油脂類も排水管へ流すと臭いや詰まりの原因になります。

これには、ラーメンの残り汁やマヨネーズ、パスタなどのゆで汁なども含みます。

中でも動物性の油は、40℃以下になると固まりやすく、排管内で冷えて固まって残りやすいです。

植物性油は、比較的固まりにくいですが、0℃前後で固まってくるものもあるため、冬場などは注意が必要です。

そのため、油は廃油凝固剤や片栗粉・小麦粉などで固めたり、ペーパーで拭き取ったりしてゴミとして処理しましょう。

こういったことに気をつけつつ、日々のお掃除など汚れの予防をしておくことも大切です。

排水管トラブルの予防策

ではどういった対策が有効でしょうか。いくつか考えてみたいと思います。

50℃程度のお湯を流す

1日の終わりなどに、50℃付近のバケツ1杯程のお湯を排水口へ流すと、排水口周辺の汚れが取れやすくなります。

油脂がとれやすくなったり、汚れがとれることによる消臭効果も期待できます。

雑菌も若干は減らせる(除菌)と思いますが、殺菌までは期待できません。

ヌメリ取り剤の利用

市販のヌメリ取り剤を利用することもおすすめです。

これらの製品は、油脂やヌメリを分解しやすくし、排水口の詰まりを防ぎます。ただし、適切な量を使用することが重要であり、使用方法を正確に守るようにしましょう。

過炭酸ナトリウムの利用

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使うことで排水口の掃除をすることも可能です。

ドラッグストアや100均などで入手でき、使用方法も簡単です。

  • まず、排水口の受け皿や手で届く範囲のゴミや汚れは予め掃除しておきます。
  • お湯をバケツ半分〜1杯分くらい流します。(温度は50℃くらいが良いですが、過炭酸ナトリウムが反応しやすいように排水管を予め温めておくことが目的なので、量も温度もそこまでこだわらなくても良いです。)
  • 過炭酸ナトリウムを排水口の周りにパラパラと盛っていきます。(量は大さじ2~3杯くらいで十分です。)
  • 50℃程度のお湯を、ゆっくりと過炭酸ナトリウムの周りから流していき、排水管に沿わせるように過炭酸ナトリウムを流し切ります。
  • 1~2時間程放置して、お湯でよく洗い流します。(時間は難しければ20〜30分くらいでも良いですが、時間を置いた方が反応が進み汚れがよく落ちます。)

メッシュフィルター、排水口ネットの設置

排水口にはメッシュフィルターや排水口ネットを設置することで、髪の毛や食べかすなどの異物が排水管に流れ込むのを防ぎます。これにより、詰まりの原因となる異物の蓄積を抑え、排水のスムーズな流れを維持できます。

ただし、排水口の受け皿に細かな汚れが残っていくので、こまめな交換が大切です。

定期的な点検とメンテナンス

定期的に排水口やパイプの点検を行い、異常がないか確認することも大切です。

また、排水口のフタを外して内部のパーツを清掃するなど、定期的なメンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

これらの予防策を実践することで、排水管のトラブルを最小限に抑え、快適な生活を維持できます。排水口への適切なケアは、家の維持管理において重要な一環と言えます。

排水口の掃除方法については、以下も参考にしてみてください。

排水口の悩みを解消!効果的なヌメリ取りの方法や対策とは?

まとめ

熱湯は排水管に損傷を与え、トラブルを引き起こす可能性があります。そのため、流す際には温度を下げたり注意しなければなりません。

また、それと同時に日々の清掃で排水管トラブルを予防することができます。

過炭酸ナトリウムやヌメリ取り洗浄剤を使用したり、メッシュフィルターやネットの利用など、安全で効果的な代替手段を採用することで排水管の健康を維持できます。

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